出版翻訳の仕事をするには

それはもしも翻訳していて不明な個所があれば、それを徹底的に調べなければならない、ということです。

翻訳した自分でさえ分からない翻訳ではいけません。

出版翻訳された作品を買って読み、言い換えればそうした仕事を支えているのは読者なのです。

不明な点はきちんと解決し、そうして読者に対する責任をきちんと果たす姿勢も翻訳者には欠かせません。

例えば意味がよく分からない部分があって、その部分をどのように処理するかを出版社の編集担当にまるまる任せてしまうようでは、翻訳家とてあってはなりません。

不明な点があれば、時に図書館やインターネットで調べたり、時に作者本人に連絡を取ってはっきりさせなければならないのです。

まるで翻訳家自身が小説を書いたり、或いは論文を書いたりするような、そういった感覚が必要なのです。

出版翻訳の仕事についてこのように書くと、「やっぱり出版翻訳の仕事ってすごく難しくて大変なんだ」と尻込みする人もいるかもしれません。

やたらと難しそうだと恐れをなす人がいるかもしれません。

ですがこうした難しい部分こそ、寧ろ出版翻訳という仕事ならではの面白さなのかもしれません。

出版翻訳の日本語解釈

出版翻訳の仕事で関わってくる日本語は、私達が普段の生活で使う日本語よりも遥かに豊富で内容の濃い言葉となります。

そこには当然ながら豊かな日本語の語彙と表現力が必要となります。

ですがそうした表現もただ学校等で習っただけでは使いこなすことはできず、豊かな人生経験をして広い視野を持ってからようやく使いこなせるようになる語彙でもあり表現力でもあります。

そんな仕事だけに年齢で言えば、20代ではとてもではないがまだまだ若く、30代から40代でもまだ駆け出しだと言っていいでしょう。

そして50代以上になって活躍する翻訳家が大勢います。

言い換えれば、出版翻訳の仕事に耐えうる日本語力をマスターするには、これだけの長いスパンで見なければならないのです。

逆に言えば勉強さえ怠らなければ、出版翻訳は自分自身の成長とともに長く続けられる仕事なのです。

そこには体力とか記憶力といったものはあまり関係がないと言っていいでしょう。